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    10/31/2007

    Ny chair

     我が家に新たに仲間入りしたのは、二―ファニチャーのニーチェアー。
     徳島のデザイナー新居猛さんのデザインで、1970年に考案された。そのデザイン性、機能性から各地で評価を受け、74年にニューヨーク近代美術館の永久収蔵品に選ばれている。新居猛さんは今年10月、87歳で亡くなった。
     
     家具がほとんどない我が家で、たたずむNy chairはカッコいい。すわり心地は当然、抜群によく、読書がすすむ秋の夜長である。

    社会的共通資本

     宇沢弘文著『社会的共通資本』
     岩波新書
     
     8月に開催した川の全国シンポの実行委員長、宇沢弘文さん。
     
     「ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような社会的装置」 = 社会的共通資本
     
     社会的共通資本は大きく3つに分けることができる。
    ①自然環境              -大気、水、森林、河川、湖沼、海洋、沿岸湿地帯、土壌など
    ②社会的インフラストラクチャー  -道路、交通機関、上下水道、電力・ガスなど
    ③制度資本              -教育、医療、金融、司法、行政など
     
     いくつか印象に残った部分を紹介する。
    -日本は世界でも有数の「くるま社会」となって、その陰惨な症候群に悩まされ、人々の実質的生活の内容は著しく貧しいものとなり、その文化的水準は極めて劣悪なものとなってしまっている。
    -人間的な魅力を備えた都市とは、まずなによりも歩くということを前提としてつくられなければならない。
    -文化とは・・・ 伝統的社会では、「社会的に伝えられる行動様式、技術、信念、制度、さらに一つの社会ないしはコミュニティを特徴づけるような人間の働きと思想によって生み出されたものをすべて含めて、一つの総体としてとらえたもの」
              近代社会では、「知的ならびに芸術的な活動」
     
     最後の文化についての記述は、前述した獅子舞の出来事とタイムリーだった。現代人の多くにとって、文化とはおそらく「芸術、絵画、芸能」といった限定された物事でしかないが、本来は生活そのものであり、営み自体が地域独自の文化であったと言えるのだろう。

    獅子

     佐野塚のお祭りで、獅子舞に参加。
     佐野塚の獅子舞は、徳島市の無形重要文化財に指定されている程、由緒あるもので、獅子本体も、その動きもとても美しい。本来は、地元の人しか獅子を操ることは許されていないんだけど、人口減少、少子化等の理由があり、祭に参加する人が少なくなっているので、特別に今年から練習に参加して、本番でも獅子を振る。
     廃れていきつつあるとは言え、祭りや獅子舞が地域や人間形成に寄与してきたもの、目には見えないものだが、とても大事なことだ。
     こんな伝統的な文化が、残っている地域はとてもうらやましい。参加している若者も年寄りも、おバンちゃんもとても楽しそうだし、こういう機会を重ねていくことで、またあらたな地域のつながりもより深まっていく。
     
     神事において、御神体が神棚から神輿に移される時、神主さんが呪文を唱えながら走った。その様はとても厳かだった。
     本来誰もが、季節を通して、こうやって自然や万物とのつながりを感じてきたはずである。目には見えない大事なもの。
     
     日本中どこでも、徳島もグローバリゼーションの波には勝てないが、自分自身の身の回りで、そのような目に見えない大事なものを守って生きて行きたい。
     
     自分自身の獅子舞はというと、動きについていくことに精一杯で、当然のことながら、まったくなっていなく恥ずかしい・・・。
    shishi
    10/23/2007

    グッド・シェパード

     映画『グッド・シェパード』
     監督:ロバート・デ・ニーロ 出演:マット・デイモン、アンジョリーナ・ジョリー、ウイリアム・ハート
     
     アメリカの対外諜報機関CIAの誕生に人生をかけた男の人生と家族の物語。「家族」に関する部分が、興味深く、特に息子と父親の関係性に見入ってしまった。しかしこんな職業、職業と言うか宿命と言うか、悲しいな。

    new dimension

     石川直樹写真集『NEW DIMENSION』
     赤々舎刊
     
     世界各地の洞窟壁画の価値観を、「new dimension」とするのか。未知の世界へ、衝動に駆られる写真ばかり。
     
    10/17/2007

    氷壁

     井上靖著『氷壁』
     
     二人の壮絶なクライマーの物語。穂高に行ってきたばかりなので、地理的な理解も深くさらにおもしろかった。
     とにかく主人公、魚津恭太のクライマーっぷりにしびれるのである。
     そして井上靖の文章は、どうしてこうも人間の感情をリアルに表現できるのだろうか。表現とかの問題ではなくて、感情の機微が素直なのだ。感情の美しい部分だけではなく、人間のほんの小さな感情があらゆる場面で表現されていて驚く。
     
     『モシカアル日』 ロジェ・デュプラ
    モシカアル日、
    モシカアル日、私ガ山デ死ンダラ、
    古イ山友達ノオ前ニダ、
    コノ書置ヲ残スノハ。
    オフクロニ会イニ行ッテクレ
    ソシテ言ッテクレ、オレハシアワセニ死ンダト。オレハオ母サンノソバニイタカラ、チットモ苦シミハシナカッタト。
    親父ニ言ッテクレ、オレハ男ダッタト。
    弟ニ言ッテクレ、サアオ前ニバトンヲ渡スゾト。
    女房ニ言ッテクレ、オレガイナクテモ生キルヨウニト。オ前ガイナクテモオレガ生キタヨウニト。
    息子タチヘノ伝言ハ、オ前タチハ「エタンソン」ノ岩場デ、オレノ爪ノ跡ヲ見ツケルダロウト。
    ソシテオレノ友、オ前ニハコウダ―
    オレノピッケルヲ取リ上ゲテクレ。
    ピッケルガ恥辱デ死ヌヨウナコトヲオレハ望マヌ。
    ドコカ美シイフェースヘ持ッテ行ッテクレ。
    ソシテピッケルノタメダケノ小サイケルンヲ作ッテ、ソノ上ニ差シコンデクレ。
    10/15/2007

    映画監督として

    デビュー近し。

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    10/12/2007

    ラブレター

     いわさきちひろ著『ラブレター』
     
     安曇野の美術館に行ってから、いわさきさんのことを考え続けている。
     絵について、家族について、夫について、子どもについて、平和についてさまざまな想いが描かれているいわさきさんの文章が、決して饒舌(文章の場合はこうは言わないのか・・・)ではないけれども、こちらの心に響いてくる。
     我が家の玄関は、いわさきさんの絵で、雰囲気があたたかくなった。

    かもめ

     映画『かもめ食堂』
     脚本:群ようこ 出演:小林聡美
     
     フィンランド・ヘルシンキで繰り広げられる、変な人々の日常、非日常。おかしく、あたたかい。
    10/9/2007

    いわさきちひろ

     安曇野市「いわさきちひろ」美術館へ。
     
     いわさきさんの文章に驚き。特に平和への想いについて書かれたものを読み、涙が出た。
     
    「青春時代のあの若々しい希望を何もかも打ち砕いてしまう戦争体験があったことが、私の生き方を大きく方向づけているんだと思います。
     平和で、豊かで、美しく、可愛いものが本当に好きで、そういうものをこわしていこうとする力に限りない憤りを感じます。」
     
     そして家族に対する愛情、これほどまでの激情家だということを知らなかった。絵は当然のことながら、心が芯からあたたまるのです。
     
     いわさきさんが影響を受けたケーテ・コルヴィッツさんの作品の、時々見せるやさしい母親の表情に思わず笑みがこぼれる。

    Banff Mountain Film Festival

     松本で開催された「Banff Mountain Film Festival」に参加。
     世界最高のアウトドア映画祭と評されるこの映画祭、今年で32年目である。
     
     世界の山岳環境について、そしてアウトドアスポーツについて究極のドキュメンタリー。常軌を逸脱したアスリートたちの競演である。アドレナリン出まくり、エネルギー充填OK!さあフィールドへ出かけよう。
     
     「少ないカネで、シンプルに生きたい」 -ディディエ・バートフッド、クライマー
    10/4/2007

    日の出とともに

     今朝は、日の出とともに寝袋からはい出し、朝日に向かって自転車を30分漕ぎ―いつもの吉野川沿いの通勤路が別世界のようにビューティフル―、車にボードを積み込み20分走らせると、そこは市内小松海岸。
     
     台風前とあってか、波が腰まではある。人も少なかった。気持ちよくサーフ。
     
     早起きするといいことだらけ、と思いつつも、午後の事務はひたすら眠いのである。

     恩田陸著『光の帝国』
     
     常野一族―それぞれが特殊な能力を持ちながら、常に在野であれ、という信条のもと、おだやかに暮らしている―が、その能力故、社会から恐れられ時には迫害され、しかし力強く生きる様を描いた物語。人間はこうもたくましく、かつ弱いものなのか。
     
     一気に読み終えてしまった。シリーズがあるとのことなので、楽しみに読み進めていこう。
    10/3/2007

    surf 生見

     サーフ、生見へ。シーズン2度目、みのるさんと。
     
     いよいよマイボードがデビューし、波も胸まであり。あの疾走感たまらないね。

    穂高

     念願の穂高へ。9/22-24
     上高地から徳沢、横尾を経て、涸沢、穂高、白出沢、新穂高温泉へと至る道のり、2泊3日、タフガイ拓也と。
     
     1日目
     気持ちよく、林と梓川沿いの道を歩いた、と思っていたら、横尾直前になって、車両道路造成のための河道改修工事をしていて、気分を害する。自然の営みを、重機を使い簡単に遮断する。犯罪である。
     飼いならされた野生動物、魚―後でわかったことだが、イワナと思っていたのは放流されたブラウントラウトなどの外来種であった可能性が高い、イワナもほぼ放流魚だろう―、そして猿。
     「原生」というキーワードが、頭を離れない。どこへ出かければ原生の自然と出会うことができるのか?
     
     『私たちはこうした手つかずの原生地域、および多様性を「基本の姿」として守り、本当の世界がどんなものかを忘れないようにする必要がある。自然が地球にそうあれと意図したとおり、完璧な均衡を保った状態にしなければならない。この状態を模範として頭に留めて、持続可能性への道を模索していかなくてはならない』
     ―イヴォン・シュイナード
     
     2日目
     しばらく屏風岩を左手に眺めながら進む。ビョーブ岩、あれを登りきることができたら、最高に気持ちいいだろうなと、拓也と話す。5年後に登ろうと約束。
     その後、涸沢。日本最大級のカールということで、雪渓を楽しみにしていったが、残っているのは小さな塊しかない。昨年の剣沢雪渓の方が比べ物にならないほど大きい。これも温暖化の影響である。付近はわずかに紅葉が始まっている。テント村の色とりどりが、穂高山荘への斜面、しばらく後方に見えたままだった。
     
     『文明の進歩は、瞬時、と見まごうほど迅速に起きるが、実際我々の精神は深いところでそれに付いていっておらぬのではないか。』
     ―梨木香歩
     
     穂高山荘へあと30分といったところで、左足が何やら痛み出し、上りは思うようにいかなくなった。
     山荘のテント場は、ガレ場であり、場所も狭いので、泊まる気にならなかった。今日中に新穂高温泉まで降りられるだけ降りようということにした。拓也は降りる前に、奥穂高岳の山頂へ行った。
     ここから白出沢の下り道は、ガレ場&急坂でかなりキツイ。思ったより時間がかかる。重太郎橋付近まで3時間と少し。18:00には日没なので、あたりは真っ暗になってしまった。ヘッドランプをつけて、山道を行く。ただ、迷うようなところはもう抜けていると、地図を見て確信があったので、あとはひたすら時間をかけてトレイルを歩むのみ。白出沢出合が20:00。晩飯(この日4度目の食事―燃費の悪い2人)のラーメンを食べ、林道を歩く、約1時間半。新穂高温泉の街の灯りが見え、ようやくゴール!
     到着22:00、行動時間14時間30分。よく体がもった・・・。
     温泉街、公衆浴場前で寝袋を広げて眠る。24:00、就寝。
     
     3日目
     朝から温泉につかり、幸せ気分。高山までバス、そして電車へ乗り込む。
     
     今回の流行語 「若者はキャンプ!!」 ―トレイルですれ違った、とあるおっさんのセリフ。
    10/1/2007

    チルドレン

     伊坂幸太郎著『チルドレン』
     
     サスペンスと思って、気軽に読み進めていくと、はまった。いくつかのストーリーが、時間を異にしてリンクする。
     
     「そもそも、大人が格好良ければ、子供はぐれねえんだよ」
    思わず笑みがこぼれる、あたたかいストーリー。